
「またハーフ3時間か…」
先日のラウンドで、前の組を待ちながら、ため息をつきませんでしたか?
ネット予約の手軽さは確かに魅力です。しかし、その代償として、詰め込みすぎによる進行の遅れや、予約争奪戦のストレスに悩まされている方は少なくありません。
知人のメンバーコースに招待された時、到着時のスムーズな出迎えや、ゆったりとした昼食、そして何より「顔パス」で迎えられる心地よさに、別世界を感じた経験があるのではないでしょうか。
「自分もそろそろ、こういう場所を持ちたい」
そう思った矢先、「今さら会員権なんて時代遅れだ」「損をするだけだ」という声が耳に入り、二の足を踏んでしまっている。もしそうなら、この記事はあなたのためのものです。
結論から申し上げます。ゴルフ会員権は決して時代遅れではありません。むしろ、時間を何よりも大切にする現代のエグゼクティブにこそ必要な「投資」です。
本記事では、元証券マンであり、現役のメンバーでもある私が、単なる感情論ではなく、資産価値を守りながら人生の質を劇的に高める「失敗しない会員権の選び方」を、論理的に解説します。
なぜ今、「会員権はオワコン」説が流れるのか?その正体と誤解
「会員権はオワコンだ」と主張する人々の多くは、バブル期の記憶や、表面的なネット情報に踊らされています。まずは、その誤解を解き、現在の市場の真実を見ていきましょう。
「損をする」のは投機目的の場合だけ
かつてゴルフ会員権は、株と同じように「値上がり益(キャピタルゲイン)」を狙う投機対象でした。バブル崩壊で多くの人が損をしたのは事実ですが、それは「プレーしないのに買っていた」からです。
現在は市場構造が完全に変わり、「プレーして楽しむ(実需)」ための市場になっています。
ここで重要なのが、「資産価値」と「利用価値」の因果関係です。
多くの人が「資産価値(価格)」ばかりを気にしますが、実は「利用価値(予約の取りやすさ、コースの質)」が高いコースこそが、結果として資産価値も維持されるのです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「いくらで売れるか」よりも「どれだけ使えるか」を最優先に考えてください。
なぜなら、利用価値の高いコースはメンバーが手放さないため、売り物が少なくなり、自然と相場が安定・上昇するからです。逆に、相場だけを見て買った不人気コースは、予約も取れず、売るに売れない「負動産」になりかねません。
2025年問題と市場の二極化
「団塊の世代が引退する2025年問題で、相場は暴落する」という説もよく耳にします。しかし、データを見ると、市場全体が暴落しているわけではありません。
実際には、都心からアクセスの良い人気コースは価格が上昇傾向にあり、不便なコースは無価値化するという「二極化」が進んでいます。つまり、選別眼さえあれば、資産価値がゼロになるリスクは十分に回避できるのです。
「時間を買う」投資。多忙なエグゼクティブが得られる3つの特権
会員権を持つ最大のメリットは、金銭的な損得以上に、「時間」と「精神的なゆとり」を買えることにあります。多忙なあなたが得られる3つの特権をご紹介します。
特権1:優先予約権とスムーズな進行
ネット予約サイトでは、土日の良い時間帯は瞬殺され、取れたとしても早朝か夕方。しかも当日は詰め込みすぎで、ハーフ3時間が当たり前…。これでは、リフレッシュどころかストレスが溜まる一方です。
メンバーになれば、「メンバー枠」という優先予約権が確保されています。
そして何より、メンバーコースは「適正な組数」で運営されているため、ハーフ2時間15分以内で回れることがほとんどです。この「快適な進行」こそが、ビジター利用との決定的な違いです。
特権2:究極の時短「メンバータイム(一人予約)」
私が最も価値を感じているのが、この「メンバータイム」です。
ゴルフに行きたいけれど、急に友人を誘うのは気が引ける。そんな時、メンバーなら電話一本で、あるいは専用サイトから一人で予約を入れることができます。
そこには、同じようにゴルフを愛するメンバーが集まっています。
メンバータイムは、いわば「一人予約」の究極形です。
仲間とのスケジュール調整という「見えないコスト」をゼロにし、空いた日曜の朝にふらっと行って、昼過ぎには帰宅して家族と過ごす。この自由さは、一度味わうと手放せません。
特権3:顔パスのステータスとサードプレイス
ゴルフ場の玄関に入った瞬間、「〇〇様、おはようございます」と名前で呼ばれる。
サインレスでチェックインし、いつものロッカーへ向かう。
この「自分はここの一員である」という所属意識(サードプレイス)は、家庭とも職場とも違う、精神的な充足感を与えてくれます。
利害関係のないメンバー同士の交流は、ビジネスのしがらみを忘れさせてくれる、まさに「大人の隠れ家」です。
資産価値ゼロを防ぐ「鉄壁のコース選び」3つの基準
では、具体的にどのようなコースを選べばよいのでしょうか?
私がコンサルタントとして、そして一人のゴルファーとして断言する「絶対に外してはいけない3つの基準」をお伝えします。

1. Access (アクセス):ドア・ツー・ドア60分以内
これが最も重要です。どんなに素晴らしい名門コースでも、片道2時間かかれば、必ず足が遠のきます。
アクセスと継続率(=利用価値)には、強い相関関係があります。
「たまに行くなら遠くてもいい」はビジターの発想です。メンバーとして通うなら、自宅から「ドア・ツー・ドアで60分以内」を目安にしてください。近いコースなら、半日プレーして午後から仕事、といった使い方も可能です。
2. Management (経営母体):倒産リスクを見極める
会員権購入で最も恐ろしいのは、ゴルフ場の倒産による預託金の切り捨てです。
ここで重要になるのが、「経営母体」と「倒産リスク」の関係です。
預託金制の会員権は、法的にはゴルフ場への「貸付金」です。したがって、親会社の財務体力がそのまま会員権の安全性に直結します。
鉄道系、大手不動産系など、母体がしっかりしているコースを選ぶことが、資産を守る鉄則です。過去に民事再生(法的整理)を行っているかどうかも、必ずチェックしましょう。
3. Quality (適正会員数):予約の取りやすさの指標
「メンバーなのに予約が取れない」という悲劇は、会員数の多さが原因です。
目安として、18ホールあたり1,200名以下のコースを選んでください。
会員数が適正であれば、メンバータイムの枠も十分に確保されており、月例競技会などのイベントもスムーズに運営されます。逆に、会員権を乱発しているコースは、予約競争が激しく、メンバーメリットが薄れてしまいます。
【Q&A】購入前に知っておきたい「本音」の疑問
最後に、私がお客様からよく受ける「本音の疑問」にお答えします。
正直、元は取れますか?
金銭面だけでなく、精神的な満足度を含めれば、数年で十分に取れます。
単純計算でも、土日のビジター料金(約2.5万円)とメンバー料金(約1万円)の差額は1.5万円。月2回行けば年間36万円の差が出ます。これだけで年会費はペイできますし、5〜7年で入会金も回収できる計算になります。
さらに、予約の手間やストレスからの解放という「見えない利益」を加えれば、投資対効果は非常に高いと言えます。
「古参メンバー」が怖いです。人間関係は面倒ではありませんか?
多くのコースでは世代交代が進んでおり、過度な心配は不要です。
確かに昔は「ヌシ」のようなメンバーが幅を利かせているコースもありましたが、現在はコンプライアンス意識も高まり、閉鎖的な雰囲気は薄れています。
むしろ、一人予約で一緒になった方と意気投合し、仕事につながるケースも多々あります。どうしても不安な場合は、入会前に「視察プレー」を申し込み、クラブハウスの雰囲気やメンバー層を肌で感じることをお勧めします。
飽きませんか?
ホームコースを攻略する楽しみは、毎回違うコースに行くのとは別次元の喜びです。
「同じコースばかりで飽きないか?」とよく聞かれますが、逆です。
季節、風向き、ピン位置によって、コースは毎日違う顔を見せます。「今日は3番ホールでリベンジするぞ」という明確な課題を持って挑むゴルフは、上達のスピードを格段に早めてくれます。
まとめ:人生の後半戦を豊かにする「サードプレイス」を持とう
ゴルフ会員権は、単なる「優先プレー権」ではありません。
それは、多忙な日常から離れ、緑の中で自分自身と向き合い、利害関係のない仲間と笑い合える「サードプレイス(第三の居場所)」へのパスポートです。
ネット予約で消耗するのは、もう終わりにしませんか?
「時代遅れ」という外野の声に惑わされず、あなた自身の人生の質を高めるために、賢い選択をしてください。
もし少しでも心が動いたなら、まずは気になるコースの「視察プレー」を申し込んでみてください。
その一歩が、あなたのゴルフ人生、ひいては人生そのものを豊かに変えるきっかけになるはずです。
[参考文献リスト]
- 住地ゴルフ マーケット情報 - 住地ゴルフ
- ゴルフダイジェスト・オンライン - ゴルフダイジェスト社
- 加賀屋ゴルフ - 加賀屋ゴルフ